それって本物?水晶とガラス・人口水晶の見分け方
<結論>本物か偽物か?見分ける方法は宝石鑑別書しかない。
天然石・パワーストーンとして最も知名度が高い水晶(クォーツ)。
水晶と聞いて頭に浮かばない人はいないといっても良いほど一般的に知られている石です。
しかし、実は本物の水晶玉と言われるものはほんの一握りで、ある程度の知識があれば一目で偽物と判別できる「ガラス玉」から、本物そっくりな「人工水晶玉」まで存在します。そのため、誤った知識で知らないうちに“間違った水晶玉を購入してしまう人が後を絶たない...”ということが現実に起こっています。
結論から言ってしまえば、“水晶玉はプロでも見分けられない”というのが答えなんです。
今回は「水晶の本物・偽物の見分け方」と共に、なぜ宝石鑑別書でしか見分けがつかないのか?を、順番にご説明いたします。
水晶の種類は3つ
水晶玉として販売されているものには「天然水晶」「ガラス(練り水晶)」「人工水晶」の3つが挙げられます。
「天然水晶」
二酸化ケイ素が長い年月をかけて自然に結晶化したものが「天然水晶」です。常に変化する自然環境下で形成されることで、無色透明に見える水晶でも天然石特有の不規則な結晶構造を持っていることが特徴であり、独特な輝きや虹色が見えたりもします。
「ガラス(溶錬水晶/練り水晶)」
水晶を一旦熱で溶かし再形成した “溶錬水晶(通称:練り水晶)” と呼ばれるものです。水晶という名前がついているので勘違いされそうですが、一度溶かした段階で水晶の構造は失われるため、“ガラスと同じ構造”となってしまいます。現在では水晶を溶かす作業すら行われず、初めからガラスを溶かして固めた「ガラス玉」が練り水晶として流通していることがほとんどです。
「人工水晶」
同じ成分で人為的に結晶化させた水晶のことを「人工水晶」と言います。1~6ヶ月程度の短期間で結晶化させることができるので大量生産が可能となり、広く流通されています。
実は、天然水晶もガラスも人工水晶も基本は同じ「二酸化ケイ素」という成分で作られています。違いは「結晶化しているか?していないか?」と「天然か?人の手が加わっているか?」です。
それでは、天然水晶vsガラス、天然水晶vs人工水晶に分類して、それぞれ見分け方を詳しくご説明いたします。
<髪の毛でわかる?>天然水晶とガラス(練り水晶)の見分け方
水晶とガラスの違いはハッキリしています。それは、結晶構造の有無です。
結晶構造とは、結晶化した二酸化ケイ素が長い年月をかけて規則正しく積み重なってできた層のことで、その塊(原石)を研磨したものが天然水晶玉と言われるものです。
ガラスには当然、自然物からできる特有の結晶構造がありません。
天然水晶玉とガラス玉は、この結晶構造があるかないかを調べることで見分けることができます。
ダブリング(屈折率)で見分ける
何層にも重なり合った結晶に光が当たることで発生する「光の複屈折現象(ダブリング)」を利用して判別することができます。とても細い線じゃないとわかりづらいので、一番身近な方法は「水晶玉で髪の毛を見てみる」ことです!
- 白い紙の上に髪の毛を一本セロハンテープなどで固定する。
- 髪の毛に水晶玉を乗せて、上から覗き込んでみる。(毛髪が一本に見えてしまう場合にはゆっくりと水晶玉を回転させます)
- 写真左のように毛髪が二本に見えたらそれが結晶化している証拠です。(ガラス玉では常に一本にしか見えません)
※二本線を確認するには玉の直径約2cm以上が必要です。
偏光板を使って見分ける
2枚の偏光板で天然水晶玉を見てみると、波長の違う光が速度変化し複屈折することで、偏光板に“虹色の輪”が回転しているかのように映し出されます。
これは水晶を形成する二酸化ケイ素(SIO2)がきちんと結晶化しているために起こる現象ですので、それを利用して判別することが可能となります。結晶構造を持たないガラス玉(練り水晶)では虹色の輪は出ません。
氷の上で見分ける
同じ大きさの水晶玉とガラス玉を氷の上に乗せると、水晶玉を乗せた氷のほうが早く溶けていきます。
熱伝導率の違いにより発生する現象で、水晶の持つ温度が氷にはやく伝わり、溶けるスピードに差が生まれるわけです。この方法は、穴をあけて加工した水晶玉でも判別できますので、ブレスレットの見分け方として有効です。
<要注意!>天然水晶と人工水晶の見分け方
上記でご説明したように、知識があれば「天然水晶(クォーツ)」か「ガラス(練り水晶)」かを見分けることは可能です。
しかし、「天然水晶」と「人工水晶」の見分け方となると、そう簡単にはいきません。
天然水晶も人工水晶も“結晶化している”という点では同じであるため、明確な違いというものが無く、肉眼では見分けることが出来ません。(上記でご説明したようなダブリングで見分ける方法も通用しません)
さらに、近年の技術発達により人工水晶の造りが日々進化しており、わざと若干の色味をつけたり、クラック(内包物)を入れたり...、長年水晶玉を見ているプロでも見分けることが難しいというのが現実です。
つまり、人工水晶玉は専用の機械を使って判断する以外に確認する方法がありません。
そこで、専門機関の判定で取得できる“宝石鑑別書”の出番というわけです。
天然か人工かを判別できる唯一の方法、宝石鑑別書
宝石鑑別書(ほうせきかんべつしょ)は、専門機関にある検査機器を使用して判別した結果が記載されており、検査機によって出た結果内容が、その水晶のすべてを明確にしてくれます。
ちなみに、鑑定書(かんていしょ)と呼ばれるものは、別名ダイヤモンド・グレーティング・レポートと言い、4Cという基準に基づいて検査を行う、“ダイヤモンドのみ発行される品質証明書”を指します。
鑑別書(かんべつしょ)とは、宝石全般に使われる素材の成分と形状・サイズ、天然石か人工石かの判別や、処理方法等を検査した分析結果証明書となります。
「鉱物名」の記載でハッキリ分かる
結晶構造の違いにより正確に判別され、天然水晶は「鉱物名:天然クォーツ・ロッククリスタル(写真左)」と明記されます。一方、人工水晶は「鉱物名:合成ロック・クリスタル(写真右)」と明記されます。そして、ガラスの場合は「鉱物名:模造石・人工ガラス」と明記されます。
基本的に、無色透明の水晶に対して「ロッククリスタル」と明記され、それ以外は「クォーツ」と明記されます。※鑑別機関によって異なる場合あり
「色相・透明度」の詳細も分かる
鉱物名だけでなく「色相・透明度」といった詳細が把握できる点も鑑別書のメリットです。
上記の鑑別結果を比較すると、左の写真では「無色」とあるのに対し、右の写真では「微褐色」と、異なる結果が表記されています。
肉眼では同じように見える水晶玉でも、どんなに精巧に作られた人工水晶玉でも、専用機器で検査してしまえばハッキリと見分けられてしまいます。
つまり専用機器でしか本物か偽物かを見分けられないということになります。
最高峰の宝石鑑別書「日本彩珠宝石研究所」
宝石鑑別機関は日本だけでも数十社以上存在しており、残念ながら鑑別機関によっては審査結果が曖昧になってしまうところもあるようです。
そんな中、天然石検定協議会会長でもある飯田孝一氏が設立した鑑別機関「日本彩珠宝石研究所」は大変厳しい検査を行っており、他の鑑別機関で「無色透明」と評価される水晶でも、僅かに色が認識されば「微褐色」「一部褐色」などと、はっきり評価されてしまう “宝石店泣かせで有名” な精度の高い検査機関です。
最高級水晶 無垢玉(むくだま)とは
数ある水晶玉の中でも、混じりっけのない無色透明の天然水晶玉のことを「無垢玉(むくだま)」と呼びます。
さらに、その中でも「無色透明」で、目に見える「内包物が無い」ものは市場でも出ることが稀で、出会うこと自体がラッキーとまで言われる最高峰の水晶玉です。
しかも、現在では大玉が作れる原石自体がほとんど採掘できないため、100ミリを超える無垢玉の市場価格は200万円前後、150ミリ玉なら1,000~1,500万円以上と、年々高騰化しています。
当社調べ
インフォニックの取り扱う天然水晶玉について
当店では、人工水晶は一切販売しておりません。
取り扱う50mm以上の無垢水晶玉に対しては既に「日本彩珠宝石研究所の鑑別書」を取得しています。(50mm未満の無垢水晶玉についても別途4,800円で発行いたします。※約1週間必要)
どんなに見た目が素晴らしい無垢水晶玉でも、どんなに大きなお店でも、鑑別書が無いものは感覚に頼って販売しているに過ぎません。
私たちインフォニックでは、真贋(しんがん)だけに頼らず、厳密な第三者機関の検査と併せて"自他共に信用できる商品"を取り扱うことで、皆様に安心してお買い求めいただけるよう徹底しております。
水晶玉の正しい見分け方を知ることで、ぜひ“本物の水晶玉”を楽しんでいただけると幸いです。
100mm以上の水晶丸玉をお探しの方へ
100mm以上の水晶丸玉をお探しの方は、是非インフォニックへご相談くださいませ。
どこよりも高品質で、可能な限り抑えた価格で お譲りできるよう信頼のおける取引先と提携工場へ確認して参りますので、どうぞお気軽にお問い合わせくださいませ。
インフォニックお取引実績例
お取引年月日 | サイズ(mm) | お取引価格(円) |
2017年1月 | 136mm | 4,800,000円 |
2017年10月 | 122mm | 2,200,000円 |
2018年4月 | 151mm | 8,000,000円 |
2019年11月 | 100mm | 1,200,000円 |
2020年6月 | 100mm | 1,200,000円 |
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