<本物?偽物?>スーパーセブンは “7つの鉱物” じゃない!?(パワーストーン名の誤解と不思議)
スーパーセブンという天然石とは?(内包物の定義)
「スーパーセブン」という名前は、アメリカのクリスタルヒーラー「A.メロディー」氏が、ブラジルのエスピリトサント鉱山で発掘された鉱物に名付けた愛称です。(現在は商標権を持つMelody氏によりSuper Seven®という名称が商標登録されています)
A・メロディー氏の名前が有名になるにつれ、一部では「メロディーストーン」という別名も付けられるようになっています。
スーパーセブン(セイクリッドセブン)の定義は、下記の7種類で構成されていると認知されています。
- (1)水晶
- (2)アメジスト
- (3)カコクセナイト
- (4)ゲーサイト
- (5)レピドクロサイト
- (6)スモーキークォーツ
- (7)ルチル
但し、鑑別書では割合の多い鉱物が名称となり、補足として「他の鉱物が含まれる」と明記されます。(例→ 鉱物名:レピドクロサイトインクォーツ、包有物あり:ゲーサイト含む)
産地についても、よほど確実性がない限り特定することは難しいでしょう。
尚、この記事は決してスーパーセブンの価値を貶めるために書いた訳ではありません。正しい鉱物知識を知った上で「スーパーセブンという愛称で呼ばれる天然石は大変貴重で素晴らしい魅力を持っている」ということがお伝えできれば何よりです。
それではお時間の許す限りどうぞお付き合いください。
7つの鉱物が揃ってないとスーパーセブンブレスレットじゃない。は勘違い!?
ひとつの玉に “7つすべての鉱物が揃ってないとスーパーセブンブレスレットじゃない” という言葉を耳にします。しかし、これは少し誤解があります。その理由は主に下記のようなものが挙げられます。
スーパーセブン “7” についてのひと言メモ
- 水晶、スモーキークォーツ、アメジストは内包物ではなくベースとなる水晶である。
- 鉱床の性質上、ルチルが内包されたアメジストが採掘されることは99.9%ない。(ルチルインアメジストは無い)
- ルチルクォーツとレピドクロサイトやゲーサイトが共生することはまずない。(さらに、ルチルが内包された水晶ならルチルクォーツとして流通される)
- ゲーサイトとカコクセナイトは形状の違いであり、鉱物名は違えど同質であるため、1つの水晶に2つが内包されていることは認識困難。
- 結果的に、水晶、アメジスト、スモーキークォーツが混ざり合う水晶(トリカラー)に、最大3つの鉱物が内包されることしか考えられず、さらにそのアメジスト部分にルチルが入ることは99.9%※ありえない。(スーパーファイブ、5鉱物の内包までしか現実として考えられない)
※確率99.9%:残り0.1%については、地殻変動などによる通常では考えられない外部要因が加わることで、予測できない鉱物が誕生する場合があるため。(鉱物の世界ではその可能性を100%否定できないため、99.9の確率となります)
いかがでしょうか。
インクルージョン(内包)と鉱物としての棲み分けがややこしいですね。
命名の真意はわかりませんが、もしかしたら現在は水没により閉山されてしまったブラジルのエスピリトサント鉱山で、当時のA・メロディー女史が採掘した原石には、本当に7つの鉱物が内包や共生をしていたのかもしれませんし、ただのラッキーナンバーや神聖な数字としての験担ぎ(げんかつぎ)だったのかもしれません。
ただ言えることは、たとえそれらしき原石があったとしても、それを確認するには限られた原石を割って、成分分析と目視で確認するしかありません。
つまり、名前に関する誤解については当時の発見者が判断し命名した “セブンという愛称” がひとり歩きしてしまったことが理由ではないでしょうか。
2019年12月31日にクリスタルヒーラーA.Melody女史がご逝去されました。安らかな眠りを心よりお祈り申し上げます。
透明な水晶に指定鉱物が複数内包されること自体、奇跡です。
では、スーパーセブンブレスレットの価値というのはデタラメなのでしょうか?
それは、違うと思います。
そもそも複数の鉱物が同じ鉱床で育つ可能性が極めて低いのは自然界の物理的法則なわけですが、何千年もかけて形成される綺麗な水晶に、数種類の特定鉱物(スーパーセブンに定義される鉱物)が内包されることは、特別であり神秘的であり、天然石としてのスーパーセブンの希少性は間違いないと言っていいでしょう。
何より、天然の綺麗なスーパーセブンの美しさを知ってしまったら、疑う余地さえ無くなってしまうでしょう。
急激に高騰し続けるスーパーセブン系天然石のお値段(市場価格)
スーパーセブン系の天然石は、この2年間の価格高騰は激化しており、特に品質が高くなるに連れて価格急騰が大きくなっています。実際、たった数年で当時の約10倍もの値がついてしまったものもございます。
そして、現在の採掘事情や流通状況を踏まえても、まだまだ高品質スーパーセブンの価格高騰は続くと予測されます。(今より安くなることはまず無いでしょう)
スーパーセブンブレスレットの種類と見分け方
今では、スーパーセブンという名称は見た目から付けられています。基本的に、水晶の中にレピドクロサイトやゲーサイトが内包され、キラキラと水晶内部が煌めくものを総称してスーパーセブンと呼んでいます。その内包物の色味が変わることで名称も変わります。
◆ミックススーパーセブン(ミックスセイクリッドセブン)
スーパーセブン系天然石ビースを集めて組み上げたブレスレットをミックススーパーセブン(またはマルチカラースーパーセブン)と呼びます。様々な内包物のスーパーセブンビーズを使用することで、よりスーパーセブンの名に近い作品に仕上げることができるのも特徴です。
◆アメジストスーパーセブン(パープルスーパーセブン)
アメジストの中にレピドクロサイト・ゲーサイトが内包されたもの。
◆レッドスーパーセブン(ファイアークォーツ)
赤いレピドクロサイト、ゲーサイトが内包されたもの。
◆オレンジセブン(オレンジレピドクロサイトインクォーツ)
オレンジのレピドクロサイト、ゲーサイトが内包されたもの。
◆アメジストエレスチャル
パープルスーパーセブンの内包物(レピドクロサイト・ゲーサイト)が少なく、アメジストの色味が薄いもの、アメジストがバイカラーになっているもの、内包物として負晶(空洞)を持っているものなど、エレスチャルの特徴をもつもの。
◆ブラックスーパーセブン
水晶の中に黒いレピドクロサイト、ゲーサイトが内包されたもの。
◆花火ブラックスーパーセブン(ニードルヘマタイトインクォーツ)
水晶の中に黒く煌めく針状のヘマタイトが内包されているもの。※見た目の色味はブラックスーパーセブンと殆んど変わりませんが、針状のヘマタイトが光に反射し、夜空に咲く花火の様な煌めきを楽しめることから「花火セブン」「花火ブラックスーパーセブン」などと呼ばれています。
パワーストーンとしてのスーパーセブン(セイクリッドセブン)意味・効果
奇跡のクリスタルと呼ばれるほど希少なスーパーセブン(セイクリッドセブン)のスピリチュアルパワーは非常に強く、浄化の必要がないほど底が知れないと言われています。
水晶の魔除け効果、アメジストの慈愛と心の安定効果、スモーキークォーツの邪気払い効果、カコクセナイトの精神安定効果、ゲーサイトの集中力や洞察力を高める効果、レピドクロサイトの自己表現力を高める効果、ルチルの金運など、構成する鉱物のパワーが相乗効果となり絶大な恩恵を受けるパワーストーンとして人気です。
最後に
スーパーセブンの鉱物や内包物について、名前との誤解や関係性、そして市場価値やパワーストーン効果など、様々な角度からスーパーセブン(セイクリッドセブン)をご紹介いたしました。
透明な水晶に光が差し込むと内包物がキラキラと輝きだす、幻想的な姿を魅せてくれるスーパーセブンは、天然石として貴重な存在であり、見た人、身に着けた人の心を豊かにしてくれる石になると想像します。
何はともあれ、数千年~数万年かけてこんなに不思議で綺麗な天然石が生まれてくることが、本当に神秘的なことだと思います。
天然石と純粋に向き合い、その価値をご自身で見出していただければ、それが最善であり正解だと思います。
“自分にとって最高のスーパーセブンブレスレット” を探してみてはいかがでしょうか。