香港ジュエリーショーと中国天然石ビーズ製作工場の旅
実店舗バイヤー カツノです。コラムを読んで下さり有難うございます。
今回は世界中で最も大きいといわれています香港ジュエリーショーと、中国の天然石ビーズ作製工場を二週間弱に渡って回ってきましたので、旅のご報告をさせて頂きます。
天然石ビーズが皆さまの手元へどのように渡って来ているのかを知ることができ、本当に充実した旅となりました。
2013香港ジュエリーショー
始めに香港ジュエリーショーですが、その規模は半端ではなく、日本のビックサイトなどの展示会の3・4倍位の規模はあるとてつもない大きなショーでした。
出展者はインド・中国・アメリカ・台湾・ヨーロッパなど、世界各国から集まり、その殆どがハイジュエリーの宝石で、所謂パワーストーンといわれる天然石はごく一部でした。
一部といいましても数百社はあり、天然石のフロアーだけでも一日では見きれない大きさです。
率直な感想としまして、数や量はとてつもないものがありますが、ひかれる商品が本当に少なく、日本市場のクォリティーの高さを感じました。
今回、中国の原石工場を案内して下さった方に聞いたところによると、天然石のハイクォリティーなものは日本が一番人気があり、その数多くが日本に集まっているそうです。
ルチルやラリマー、スギライト、スーパーセブンなどのTOPグレードが本当に少なかったです。
数多く扱っている大手卸会社などには魅力的なショーだと思いますが、当店のような少さいながらTOPクォリティーを追い求めているお店などには何か物足りなさを感じてしまいました。
中国天然石ビーズ製作工場
写真は中国天然石ビーズ製作工場と僕です。(とても立派な工場でした)
今回の旅で一番嬉しかったことは、どのように天然石ビーズが作られ、私たちの手元へ届いているのかを知ることができたことです。
おおまかな工程は知っていたのですが、実際にその作業風景を見る事ができ感激でした。
まずは世界中から原石が集まります。
大きな工場や小さな町工場、普通の民家など、その作業場所は様々です。
その大小は様々ですが、家族皆で力を合わせ、作業している様は本当に感動でした。
どの作業場所でも、外にゴロゴロと原石が転がっています。
天然石ビーズの作られ方
工場内の様子(動画)
大きな音がしますので映像を見る場合にはスピーカーのボリュームを下げてからご覧ください)
◆手順1)
世界中から集められた原石を、だいたいの天然石ビーズの大きさに、一つ一つ四角く切って行きます。
石は非常に硬いので、その作業はいつも危険と隣合わせです。
手を滑らせて指を落としてしまった方も数多くいるらしく、本当に体を張った大変な作業です。
石を切断する様子(動画)
◆手順2)
四角く切った石を一つ一つ機械に合わせ、研磨してだいたいの丸の形にしていきます。
◆手順3)
だいたいの丸にしたものを機械にセットし、完全な球体に近づけて行きます。
機械で丸くする様子(動画)
◆手順4)
球体にしたものを今度は細かく研磨し、だいたいのビーズが完成です。
この状態ではまだ穴は開いておらず、ビーズもフロスト状態でツヤがありません。
画像はタイガーアイの磨く前
キャッツアイ効果が非常に綺麗な人気のタイガーアイも、磨く前の状態では何の石なのかまったく解らないですね。
◆手順5)
出来上がったものを手作業でサイズ別に分けていきます。
◆手順6)
出来上がった丸いビーズの一つ一つに、穴を開ける場所をマジックで印を付けていきます。
闇雲に開けるのではなく、どの場所に穴を開けたら一番綺麗になるのかを考えながらマークを付けていく、気の遠くなる作業です。
この際、同時に “不良品” と “良品” とに分けていきます。
穴あけの様子(動画)
◆手順7)
マークを目印に、穴を開ける場所を上にして機械にセットし、穴があくのを待ちます。
◆手順8)
穴が開いたら、次に磨きをかけていきます。
回りがツヤがでるまで細かく磨き、穴をあけた穴も磨いていきます。
艶出しの様子(動画)
◆手順9)
専用の道具を使用して「サイズ別・グレード別」に分けていきます。
サイズ別・グレード別に仕分けする様子
◆手順10)
最後に連ビーズやブレスレットの紐に通して完成です。
ビーズに24面カットなどの加工を施す映像(動画)
彫刻(カービング)の様子(動画)
う~ん・・・、とてもとても気の遠くなる作業ですね...。しかし、このようにして私たちの手元に天然石ビーズが届いている訳です。
各作業にプロフェッショナルな作業員がいて、もくもくと作業をしている姿は本当に素晴らしく、感謝の気持ちでいっぱいになりました。
中国インフレと環境汚染による問題
各作業場では大きな問題を抱えており、深刻な事態となっています。
それは国際的にも非常に問題となっている環境問題と、中国のインフレです。
急速な経済成長の裏側では写真ような環境汚染が続いており、国としての対策を考えて欲しいと心から願います。
工場からの排水がそのまま川に流れ込んでいます。
中国のインフレでは、作業員が安い賃金では働きたくないとストライキがここ何年で何度も起きているみたいです。
実際に20社位回ったうちの数社は、作業員と交渉が進まず、工場に作業員がおらず仕事が完全にストップしてしまっている工場もありました。
作業員がいなくストップしてしまっている工場
工場の社長さんは旧正月を迎え、賃金が20%もアップしなければ作業員が来てくれない、コストが極端に上がってしまい本当に大変だと嘆いていました。
給料が20%もアップだなんて日本では夢のような話しですが、雇い主にとっては深刻な問題です。
日本では円安が続き、中国ではコストが上がっている中、この先どうなってしまうのかなぁ。と少し不安な気持ちにもなりますが、当店インフォニックでは直接買い付けを行って仕入れコストを抑え今まで通り、より良い石を可能な限り抑えた価格でお届けするよう頑張って参ります。
今後も皆様と素敵な天然石を繋げられるよう頑張っていきますので、パワーストーンインフォニックを宜しくお願いします。
今回は本当に貴重な体験をすることができ、携わって下さった方々に心から感謝です。
もっと詳しく聞いてみたいという方がいましたら、当店まで足を運んで下されば嬉しいです。
今回も様々なハイグレード商品を入荷する事ができましたので、商品掲載をお楽しみにしていて下さい。
紹介した工場での実際の作業風景は、写真付きで当ホームページのコラムにてご紹介したいとおもいますので、こちらもご覧になって頂けたらと思います。
いつも当店をご利用下さいまして誠に有難うございます。
お問い合わせ等御座いましたら何なりとご連絡ください。