天然石タイガーアイとは?加工処理?偽物?実はとっても深いんです

天然石・パワーストーンInfonix(インフォニック)バイヤー カツノ&店長です。コラムを読んでくださり有難うございます。

こちらでは「タイガーアイ」に関する基礎知識や疑問、本物の見分け方などを解説いたします。

キャッツアイ効果が魅力のタイガーアイとは

鉱物英名:Tiger‘s Eye (タイガーアイ)
和名:虎眼石(虎目石)
成分:Na2Fe2+3Fe3+2{OH Si4o11}2
色 :褐色・黄色・黄褐色・黒紺色・など
象徴:知識・富貴
硬度:6.5~7
結晶系:単斜晶系(結晶繊維の部分)
比重:2.65
産地:南アフリカ・西オーストラリア・ナミビア・中国・ミャンマー・インド (日本での産出なし)

タイガーアイは日本では「虎眼石」と呼ばれ、その名称は光の反射によって虎の眼のようなキャッツアイ効果(シャトヤンシー)が現れることに由来しています。
神々の像の『眼』にこのタイガーアイをはめ込み、『大いなる視野』を表したといわれています。

また、古代の人々は『聖なる霊力』をもたらす強力な護符として身につけ、色変わりする美しさに最も価値のある宝石と称え愛好したと伝えられています。古くは「眼」に関係ある病気の治療に用いられたほか、頭痛などを軽減させるパワーがあるとも伝えられています。

タイガーアイは、水晶の次に有名といっても過言ではない代表的な天然石だと思います。近年のパワーストーンブームの火付け親となったのが、このタイガーアイといえるのではないでしょうか?

パワーストーンとしてタイガーアイの意味・効果は「幸運・金運」

タイガーアイは、古代エジプトで『幸運を招く聖なる石』として崇められており、この言い伝えからパワーストーンの効果意味として「金運」に良いとされたのだと考えられます。

身に付けると運気が上がり、金運や仕事運が上昇するとされ、これを機に一気にパワーストーンブームが巻き起こったと考えられます。

理由はどうあれ、天然石が世の中に注目される火付け役となったタイガーアイや水晶には感謝、そして愛さずにはいられません。

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鉱物としてのタイガーアイ

タイガーアイは採掘量が非常に多く、原石の状態から安定して研磨加工が出来るため、とても安価に出回っている天然石(宝石)です。

これだけの美しさを持つ石ですから、もしタイガーアイの採掘量が少なかったら思いも付かないほどの高額品となっていたのではないのでしょうか?

タイガーアイはリーベック閃石という角閃石の繊維状結晶が珪酸分で固まったものです。

当店で紹介している『ブルーアンフィボールインクォーツクラスター』は、水晶の中にこのリーベック閃石がそのままの姿で水晶中に残されており実に面白い表情を魅せてくれています。

この角閃石の繊維は実は「アスベスト(石綿)」であり、クロシドライト(青石綿)に分類されます。

アスベストと聞くとタイガーアイを身に付けるのに躊躇してしまいそうですが、珪酸で固まっているため無理矢理削って粉にしない限り安全ですので心配いりません。

タイガーアイは鉱物と変化した色によって名称が変わります

クロシドライト(青石綿)のままの色なら『鷹眼石/ブルータイガーアイ(通称ホークスアイ)』と呼ばれ、成分中の鉄分が酸化して黄色くなったものを俗にいう『虎眼石』と呼ばれます。

黄色に変化する途中のものは『狼眼石/ロウガンセキ(通称ウルフズアイ)』と呼ばれ灰緑色をしています。よくタイガーアイやブルータイガーアイの中に緑色に見える部分がありますが、その部分がこの狼眼石にあたります。

虎眼石がさらに酸化されると褐色から赤色に変わり、『雄牛眼石/レッドタイガーアイ(通称ブルズアイ)』と呼ばれるようになります。

尚、極めて稀に自然界で自然的に加熱された天然のレッドタイガーアイも存在しますが、基本的にこのレッドタイガーアイは人為的に加熱したものが主流です。

変種としては『ピーターサイト』があり、こちらは綺麗なシャトヤンシー効果がみられるものが少なくほとんどが茶褐色であり、以前はあまり注目されない石でしたが近年ではその独特な色合いが注目を浴び、人気が上がってきています。

稀に酸化が進まず綺麗な状態を残したブルー色があり、当店でも一度しか入荷していないレア色といえます。

その他には『アイアンタイガーアイ』などもタイガーアイに関連した天然石です。

ここでひとつ、特殊なタイガーアイ(?)をご紹介いたします。

グレータイガーアイとは何者?

タイガーアイの中には『鷲目石/グレータイガーアイ(通称イーグルアイ)』と呼ばれる種類が存在します。が、そもそもグレータイガーアイとはなんでしょう??

グレータイガーアイはクォーツキャッツアイであり、タイガーアイとは少し違った鉱物です。

クォーツァイトキャッツアイとは、細かく羽毛状に集まり結晶化した透閃石(トレモライト)が珪酸分で固まったものだそうで、同じ角閃石グループではありますがタイガーアイがリーベック閃石なのに対し、グレータイガーアイは透閃石が珪酸分で固まったものという違いがあることが判明しました。(また一つ勉強です)

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本物?偽物?加工処理タイガーアイとは?

タイガーアイは様々な加工を施され、天然ではない色が幅広く流通しています。

一部には “天然色じゃないと天然石じゃない” と言われる方もいらっしゃいますが、このタイガーアイに関しては、本物のタイガーアイから派生した様々な色合いを楽しむ、いわゆる “嗜好品” として親しまれております。

酸性液で鉄分を溶かし明るいクリーム色に変えます。これが俗にいわれる『ゴールデンタイガーアイ』です。

ゴールデンタイガーアイにブルー色をランダムに着色した『マーブルタイガーアイ』などもあり、この脱色処理後に様々な染料で着色されており、『ピンクタイガーアイ』『パープルタイガーアイ』『グリーンタイガーアイ』などがあります。

また、鮮やかなブルー色が特徴的な『ブルータイガーアイ(ニホンブルー・マリンブルータイガーアイなどと呼ばれている)』や、天然の色に限りなく近い『染色ブルータイガーアイ』もあります。

尚、着色されているかはアルコールを使って石を拭けば直ぐに判別ができますが、稀に色落ちしない塗料を使っている場合もあるので100%ではありません。

タイガーアイの種類一覧(リンク付き)

名称 和名 加工情報
タイガーアイ(イエロータイガーアイ) 虎眼石(トラ) 天然色
ブルータイガーアイ(ホークスアイ) 鷹眼石(タカ)/青虎眼石 天然色
グレータイガーアイ(イーグルアイ) 鷲眼石(ワシ) 天然色
ウルフアイ 狼眼石(オオカミ) 天然色
レッドタイガーアイ(ブルズアイ) 雄牛眼石(ウシ) 天然色&加熱処理
ゴールデンタイガーアイ - 脱色
マーブルタイガーアイ - 脱色&染色
ピンクタイガーアイ - 染色
グリーンタイガーアイ - 染色
パープルタイガーアイ - 染色
マリンブルータイガーアイ - 染色
ブルータイガーアイ - 染色(綺麗な天然ブルー色は極端に少ないため、染色で高品質に似せている)
ピーターサイト(テンペストストーン) 角閃石(クロシドライトアゲート/変種) 天然色

↓ こちらは以前、当店が勝手に命名した木目調柄をした『ウッドタイガーアイ』です。

一度だけ当店に入荷しましたが、それ以来まったく見かけません。(あの時、購入してくださったお客様は本当にラッキーです☆タイガーアイのファンとしてひとつ保管しておきたかったです..。いつかまた出会えるように頑張って仕入れに行く度に探しております。)

悩まされる中国のフェイク品タイガーアイ

以前、海外買付に行った際に新しい『ブラックカラーのタイガーアイ』を見つけました。真っ黒に黒のシャトヤンシー効果が出る今まで見たことの無いタイガーアイです。

加工業者に聞いてみると天然色とのことで1連サンプルを持ち帰ってきました。鑑別に出した結果、天然ホークアイと出ましたので次回の買い付けの際には紹介できる限りの本数を集めて入荷しようと思っていました。

ところがこれには、後日談として続きがあります。鑑別結果で一度天然と出たブラックタイガーアイですが鑑別所から後日連絡があり、詳しく成分分析をしたところ染料が発覚。脱色したのちに黒く染められていた事実が判明しました。

最近ではフェイクの技術が巧妙化してきており、鑑別所の所長さんも頭を悩ませていました。鑑別機関まで騙してしまう中国のフェイクは恐ろしいですね..。

インフォニックは、上質なタイガーアイを求めて追及しております。

タイガーアイは安価でたくさん出回っている石ですが、実は本当に綺麗なモノは一握りしかありません。当店では本当に綺麗なタイガーアイを求めて入荷しております。

そして、綺麗なタイガーアイを追いかけているうちに、私自身タイガーアイの奥深さと面白さに魅了されてしまいました。

脱色のゴールドタイガーアイでも、脱色する前の元のタイガーアイが良くなければ当店が扱っているような傷や不純物がなく綺麗なカラーは出ません。

当店のタイガーアイは、本当に自信を持ってご提供できる上質なタイガーアイですので安心してお買い求めいただけたらと思います。

一つとして同じ模様がないタイガーアイ。

長い年月を欠けて作ってくれた地球にまたひとつ感謝です。

注:独自に調べたものであり、未だ解明しきれていない天然石のため、100%事実とは限りませんのでご理解の程お願いいたします。

長文となりまして申し訳ありません。(お問い合わせ等ございましたら何なりとご連絡くださいませ)

タイガーアイコレクションはこちら

※現在、良質なタイガーアイの買い付けが非常に困難となっており、ご紹介できるお品が著しく減っております。品質・価格共に納得できるお品を仕入れられるよう引き続き尽力して参りますので何卒ご了承くださいますようお願い申し上げます。(運よく在庫がございます際は、間違いなくおすすめ品となります)
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